
糖尿病学会2026レポート 第二弾
こんにちは、管理栄養士の千葉です。
今回は、糖尿病学会2026レポートの第二弾として、膵臓における異所性脂肪のお話と、SGLT2阻害薬における脂肪肝改善効果の話を報告させていただきます。
異所性脂肪と膵内脂肪沈着 ― 膵炎・糖尿病との関係 ―
近年、異所性脂肪が注目されています。
異所性脂肪とは、本来脂肪を蓄える脂肪細胞に収まりきらなくなった脂肪が、肝臓・筋肉・膵臓などに蓄積する状態を指します。
その中でも「膵内脂肪沈着(IPFD)」は膵臓に脂肪が蓄積した状態で、一般の方の約2割にみられる比較的頻度の高い病態です。

膵臓は消化酵素だけでなく、血糖を調節するインスリンを分泌する重要な臓器です。膵内脂肪沈着は、糖尿病、慢性炎症、膵炎、そして膵癌との関連が指摘されています。
さらに近年では、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)後に起こる膵炎のリスク因子としても注目されています。2026年のメタ解析では、膵内脂肪沈着を有する患者ではERCP後膵炎のリスクが約2.5倍、重症化リスクが約5倍に増加すると報告されました。
膵内脂肪沈着はCTやMRIで比較的容易に評価できるため、今後は膵疾患のリスク評価や予防、生活習慣改善への応用が期待されています。
SGLT2阻害薬によるMASLD治療への期待
MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)は、肥満や糖尿病などに関連して起こる脂肪肝で、進行するとMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)や肝細胞がんへ発展することがあります。しかし、これまで有効な予防・治療法は十分に確立されていませんでした。
近年の研究では、糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬のひとつが、MASHモデルマウスにおいて脂肪肝やMASH、さらにMASH関連肝癌の発症を抑制する可能性が示されました。
その作用として、脂肪細胞へのエネルギー蓄積を促し、肝臓への脂肪蓄積を減少させることが明らかになっています。
Seung Wan Noh et.al Endocrinol Metab 2025;40:851-865
今回の研究で使用されたSGLT2阻害薬はすでに臨床で使用されている薬剤であり、今後はMASLDやMASHの新たな治療・予防法として期待されています。
健康診断で脂肪肝を指摘された方は、早めのご相談をおすすめします。




