
糖尿病学会2026レポート 第一弾
こんにちは、管理栄養士の千葉です。
2026年5月21日(木)~23日(土)の3日間、大阪市のグランキューブ大阪(大阪国際会議場)にて「第69回日本糖尿病学会学術集会」が開催され、参加してまいりました。

今回のテーマは
IMAGINE いのち輝く 糖尿病の医療・医学を共に目指して
- Imagine, “Medicine and Care for Life-Shining People with Diabetes.” -
で、医学的進歩と人間中心の医療の両立を象徴するメッセージであると感じました。
それでは、今回の糖尿病学会での内容を報告させていただきます。
日本における1型糖尿病発症前ステージ分類に基づく観察研究「PREP-T1D」について
1型糖尿病は、生活習慣病である2型糖尿病とは異なり、自己免疫によって膵臓のβ細胞が破壊されることで発症する疾患です。近年、1型糖尿病は段階的に進行することが明らかとなり、欧米では膵島関連自己抗体や血糖変化をもとに「ステージ1〜3」に分類されています。
現在の日本では、多くが症状出現後の「ステージ3」で診断されますが、発症前の段階を把握することで、早期から経過観察や適切な医療介入につなげることが期待されています。
こうした背景のもと、日本初の観察研究「PREP-T1D」が進められています。本研究では、1型糖尿病患者さんの同胞者を対象に、抗GAD抗体、抗IA-2抗体、抗インスリン抗体、抗ZnT8抗体などの膵島関連自己抗体を測定し、耐糖能異常やインスリン分泌能、Cペプチド、甲状腺自己抗体との関連について調査が行われています。
今回の学会では、中條大輔先生より研究の途中経過が報告され、発症前段階の病態把握に向けた重要な知見が示されました。
また、本研究は今後、学会主導型研究へ移行する予定となっており、日本における1型糖尿病の早期診断や新たな治療開発につながることが期待されています。
今後の研究の進展が、1型糖尿病患者さまとご家族の未来を支える大きな一歩となることを期待します。
糖尿病がある方と呼吸器感染症について
糖尿病のある方は、肺炎や新型コロナウイルス感染症などの呼吸器感染症が重症化しやすいことが知られています。特に血糖コントロールが不良な場合、入院リスクや重症化リスクが高くなると報告されています。
その背景には、
① 慢性的な高血糖による自然免疫能(マクロファージ、好中球、樹状細胞など)の低下
② Type1インターフェロン応答の低下による免疫初期応答の抑制
③ 慢性炎症による上皮障害
などが挙げられています。
近年では、肺炎の原因として細菌だけでなく、ウイルス性肺炎も重要視されています。新型コロナウイルス感染症においても、糖尿病は重症化リスクの高い基礎疾患の一つです。
感染予防と重症化予防のためには、日頃の血糖管理に加え、ワクチンの接種が重要です。新型コロナワクチンや肺炎球菌ワクチンについても、積極的な接種が推奨されています。
当院でも、感染症予防を含めた糖尿病診療を行っております。お気軽にご相談ください。




