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11月14日は「世界糖尿病デー」―青い光に込められた想い

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11月14日は「世界糖尿病デー(World Diabetes Day)」です。
この日は、糖尿病という世界的な健康課題に対して社会全体で意識を高め、行動を促すために設けられた大切な記念日です。
青い円のシンボルマークを目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

世界糖尿病デーのはじまり

世界糖尿病デーは、1991年に国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって創設されました。
当時、世界的に糖尿病患者が急増しており、その深刻さを広く訴える必要があると判断されたことがきっかけでした。
1990年代初頭には、糖尿病は先進国だけでなく発展途上国でも大きな健康問題となり、国際的な対応が求められていたのです。

 

11月14日が選ばれた理由

11月14日は、インスリンを発見したカナダの生理学者フレデリック・バンティング博士の誕生日です。
1921年、バンティング博士はチャールズ・ベストらとともにインスリンを発見し、糖尿病治療に革命をもたらしました。
それ以前、糖尿病は事実上、治療不可能な病とされていましたが、インスリンの発見は多くの命を救う歴史的な転機となりました。
この功績を称え、そして糖尿病医療の原点に立ち返る意味を込めて、博士の誕生日である11月14日が記念日として選ばれたのです。

 

国連による公式認定とその意義

2006年12月、世界糖尿病デーは大きな節目を迎えます。
国際連合総会が国連決議61/225によって、世界糖尿病デーを公式な国連記念日として認定しました。
慢性疾患に関する記念日が国連によって制定されるのは極めて異例のことであり、糖尿病がもはや一国や個人の問題ではなく、世界的な公衆衛生の脅威として認識された瞬間でもありました。

 

ブルーサークルに込められたメッセージ

世界糖尿病デーのシンボルマークである「ブルーサークル」は、2007年に導入されました。
青は国連の色であり、「地球」や「空」を表します。一方、円は「生命」と「団結」を象徴しています。
このシンボルには、「糖尿病に立ち向かう世界中の人々の連帯」という強いメッセージが込められています。

世界各地では、このブルーサークルにちなみ、有名な建築物や街並みを青く照らすブルーライトアップ運動も広がっています。青く輝く光は、希望と団結の象徴として、世界中の夜空を照らしています。

 

当院での取り組み ― 糖尿病デーのイベント

当院は糖尿病専門医・糖尿病療養指導士を擁する内科クリニックです。
開院以来、毎年、世界糖尿病デーに合わせて、糖尿病に関する正しい知識を広めるためのイベントを行っています。

1.糖尿病デーの歴史展示
世界糖尿病デーの成り立ちや背景、インスリン発見の歴史などをパネル展示し、来院された方にご覧いただけるようにしています。

2.ブルーサークルを模した飾り付け
院内をブルーを基調とした装飾で彩り、世界糖尿病デーの象徴であるブルーサークルを表現しました。青い光の中で、糖尿病への理解と関心を高めていただければ幸いです。 

3.あおいくじ
毎年恒例のあおいくじでは、糖尿病啓発グッズなどを景品としたくじ引きを実施しています。楽しみながら糖尿病について考えるきっかけにしていただけたらと思います。

 

現在と未来 ― 糖尿病デーが問いかけるもの

2020年代に入り、世界の糖尿病患者数は5億人を超えたといわれています。
高齢化、食生活の変化、運動不足など、さまざまな要因が重なり、国や地域を問わず患者数は増加の一途をたどっています。

世界糖尿病デーは、「予防」「早期発見」「適切な治療」という3つの柱を広めるための大切な機会です。
一人ひとりが生活習慣を見直し、社会全体で支え合うことが、糖尿病の克服につながります。

青い光に込められた希望と団結の思いを胸に、私たち医療従事者も地域の皆さまとともに糖尿病を正しく知り、支え合い、健康な明日に向けて歩んでまいります。

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