
こんにちは。
今回は、私たちの体の中で毎日フル稼働している「ミトコンドリア」について、少しだけ深掘りしてみたいと思います。
皆さん、ミトコンドリアってご存知ですか?
学生時代に「細胞の中の発電所」と習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。
実はこのミトコンドリア、私たちの健康や老化、病気にも深く関わっていることが、近年の研究で明らかになってきました。
ミトコンドリアとは
ミトコンドリアは、細胞の中にある小さな器官で、私たちが生きていくために必要なエネルギー「ATP(アデノシン3リン酸)」を大量に作り出してくれる生命の発電所です。
どんなに栄養をとっても、ATPを作ってくれるミトコンドリアが元気でないと、体はエネルギー不足になってしまいます。
ミトコンドリアの活性化=抗老化のカギ
最近の研究では、ミトコンドリアを活性化することが「生物学的年齢の延伸」につながることが注目されています。
生物学的年齢とは?
実際の年齢(暦年齢)ではなく、体の状態や機能の年齢を表すものです。
人によって老化のスピードは個人差があり、生活習慣や運動によって老化速度が変化することが明らかになってきています。
ミトコンドリアを活性化することで、体の内側から若々しくなる効果が期待できます。
ミトコンドリアの5つの特徴
1. 呼吸で酸素の90%以上を使ってATPを作る
呼吸の中心は肺じゃない!? 実は細胞レベルでも行われているんです
2. エネルギーを作る過程で“活性酸素”や“脂質ラジカル”が発生
これが細胞を傷つけ、老化や病気の原因になることも
3. 細胞内で“融合”と“分裂”を繰り返す
常に姿を変えながら、細胞内を網のように広がっています
4. 独自のミトコンドリアDNA(mtDNA)を持つ
人間のDNAとは別に、エネルギー産生に必要な情報を自前で持っています
5. ダメージを受けたmtDNAは短くなり、機能が低下
エネルギー産生力が落ち、老化や病気のリスクに…
ミトコンドリアのイメージ図
Rajdeep Das. et al.(2020)より改変
ミトコンドリアダイナミクスとは
ミトコンドリアは、単にエネルギーを作るだけじゃなく、自らの質を保つための仕組みを持っています。それが「ミトコンドリアダイナミクス」。
これには主に3つの動きがあります:
1.融合(Fusion)
• 活性酸素(ROS)が増えると、周囲の小胞体と接触
• ダメージ物質を小胞体に移したり、カルシウムや脂質をやり取りします
2.分裂(Fission)
• 栄養不足や障害があると分裂
• ATPを作る能力を高める反面、活性酸素の発生量も増えるという一面も
3.マイトファジー(Mitophagy)
• 傷ついたミトコンドリアに細胞の掃除屋であるリソソームが結合し分解
• ミトコンドリアの「質」を保つために必要な処理です
Arnold Y. Seo et al.(2010)
ミトコンドリアディスファンクションとは
ミトコンドリアの融合・分裂のバランスが崩れると、「ミトコンドリアディスファンクション(機能不全)」が起こります。
こんなことが起きてしまいます:
• ATPの産生量が低下
• 活性酸素が過剰に発生
• 傷んだ短いmtDNAが増加
原因はさまざま:
• 遺伝的な要因
• 加齢
• 活性酸素によるダメージ
• 栄養の偏り
• ストレスや生活習慣の乱れ など…
ミトコンドリアを元気に保つ方法
元気なミトコンドリアは、若さと健康のカギ。以下のような方法でミトコンドリア機能をサポートしましょう:
• 適度な運動(ウォーキングや筋トレ)
• バランスの取れた食事やサプリメント(ビタミンB群、NMN、CoQ10など)
• メトホルミンのような薬(医師と相談を)
• カロリー制限が効果的とされることも
まとめ
ミトコンドリアは、単なるエネルギー工場ではありません。
健康・老化・病気のコントロールセンターとして、日々体の中で活躍してくれています。
そんなミトコンドリアを元気に保つことは、私たちが元気に年を重ねるためにも、とても大切なことです。
体の中の“見えない働き者”、ミトコンドリアに感謝しつつ、少しだけ生活を見直してみませんか?




